佐藤洋二様

 皆様方とは、今年1月の賀詞交歓会以来の再会ということになります。

 本日は天候不順でゲリラ豪雨的なものも各地で見られ、皆様方のご参集を一寸懸念しておりましたが、かくも多数の方々がご参加され、皆様方の元気なお顔を拝見でき、大変喜ばしいことと思っております。
 また、石原会長のご尽力の結果でありますが、このOB会が、皆様方にとっても大変有意義な会として今後とも運営されてゆくことを切に望みたいと思います。

 さて、双日株式会社の社長として近況をお話し致します。
 最初に6月16日の株主総会ですが、皆様方にも多数ご参加頂き、議決権を行使頂き無事乗り
切ることが出来ました。この場をお借りし、改めて御礼を申し上げたいと思います。
どうも有難うございました。

 株主総会は、年々参加される人が増えており、個人株主様が色々な形で参加される機会を望んでおられるようなので、今年は初めて集中日を外しました。従来は他社と同じような集中日に日程を組んでいましたが、今年は6月16日と集中日でない日を選び開催しました。
 多数の株主様のご参加を予定し、当初は3,000名を超えるのではと思っておりましたが、結果として2,700名強となりました。昨年は2,592名でしたので、若干の増加となりました。
 ここ数年を見ますと、最初の頃は1,200名、1,500名あたりで、第一会場・本会場で全部済んでいたのですが、この2年あたりは格段の増加を示しています。
 1,500名から2,000名を超えるのかという昨年は、1,000名以上も急激に増えました。
 この中身を少しだけ分析致しますと、来場された個人株主様の半数が従前よりの株主様、残りの半分はここ数年で新規に株主になられた方々で、総会会場でのご質問も従前とは若干違うものであったと思います。参加人数が増えると、当然総会も長引くわけですが、今回はQA(質疑応答)を含め通常より20分程度長い開催時間となりました。
 頂いた様々なご意見は全て私共に対する応援であり、今後真摯に応えて参りたいと思っております。

 石原会長からも業績について御紹介がありましたが、一番お尻の当期利益では、結果として対前期比増益ですが、内容的には市況の影響を大きく受けております。
 金属・エネルギー関係の価格の下落があり、このセグメントに於ける売上、収益、売上総利益が大きく減りました。その減った分は、ほかでカバーするということで、今年から始めた九本部のうち、残りの七本部で何とか頑張って増益に持ってゆく、という努力をしてきました。
 お尻のところまで来ると、従前は繰延資産の取り崩しがあり、対前期比で言えば、先期までは50億円位の繰延資産の取り崩しを行なっていましたが、この3月にはこれがなくなり、ネット利益では大きく増益という結果を見たということです。
 言い換えれば、普通の会社の状況にこれで完璧になったということで、これからは上から下まで全て通常の税率がそのまま適用される、ということでございます。

 このような状況ですが、グローバルな経済環境は決して楽観出来るものではございません。
 英国のEU離脱は、一時的であったとしても市況の大きな混乱を招きます。グローバル化といっても、果して一定のグローバル化という形で今後も進んで行くのか、一寸違うのではないか、という危惧も世界情勢の中で出て来ているのではと思います。
 これに追い打ちをかけるように、アメリカの大統領選挙があります。
 クリントン氏とトランプ氏は、中々良い競争をしているようですが、その中味たるや厳しいもので、私から見て世の中の夢を語れるような大統領選挙にはなってないと危惧しています。選挙結果による大きな変化は、私どもは望んでいませんが、場合によっては、それも覚悟しなければいけないことを視野に入れ、英国のEU離脱に加え、この問題も考慮しておく必要があると考えています。

 この様な状況ですが、弊社の状況を海外からも見て回ろうということで、今年はミャンマー、インドネシア、アメリカを始めとし、最近はベトナム、そして来週からは中国と海外訪問を増やしています。
色々な案件がありますが、現地の駐在員は皆、新しいものに向かって元気に頑張っています。
 ミャンマーは、かつてのニチメンも日商岩井も、夫々の思いでビジネスの歴史を積んできた国ですが、ここにも新たな一手を打っております。
ロジスティックス関係で言えば、シティ・マートという現地最大手の物流関連グループとの提携はもとより、三温(冷蔵・冷凍・常温)の物流を始めようということで、新たな会社を立ち上げ、スタートさせました。
このほかにも色々なチャンスをトライしており、ミャンマーでは、かつて両社が築いて来たネットワーク、特に取引先等との関係を最大限活用し、他社に負けない活動に持って行きたいと思っております。
 ベトナムでは、この4月から新体制がスタートしました。今年の1月、共産党は新たな体制を発表しましたが、書記長・国家主席以下の人事が刷新されました。この機会を逃さずに私も訪問し、国家主席に面談を申し入れ、会見を実現させました。民間企業としては国家主席との初めての会談であり、現地でも連日放映されるという栄誉を受けております。
 このように海外においても、それぞれ過去営々と築いて来たものを充分に活かし、更に将来に向かっての積み上げを行い、新たなビジネスを培って参りたいと考えております。

 これらが、いま取組んでいる状況ですが、少し軟らかい「採用」についてお話をします。
 今年初めて100名を超える新人が入ってきましたが、来年の内定者は、現在、総合職95名、一般職20名でございます。総合職95名の中の23名が女性で、女性の数はだんだんと増えてきています。
また、海外の採用もこの11月に行ないますので、トータルで100名位の総合職採用となります。
 この背景には、以前にもお話させて頂きました、NHKのドラマ「あさが来た」がございます。これが私共の知名度を上げるのに非常に役立ち、このドラマが放送されてから、弊社に対するアクセスの回数が格段に増えました。就活の時期は、人事を含め我々は採用に奔走しますが、多くの希望者が我社に応募され、また、トレーニングをして育ててゆけば、私共双日の将来は非常に明るくなると感じさせる良い新人が沢山採用されております。過去の歴史の積み重ねが知名度の向上にも繋がっており、あらためて諸先輩方のこれまでのご努力に感謝を申し上げたいと思います。

 冒頭の社友会の会計発表でご報告頂きましたが、OB会の財政状態は赤字のようでございます。
 私共も儲けないといけませんが、将来的に私共の収益を更に向上させて行く中で、OB会を盛り上げるよう我々も努力して行きます。皆様のお役にも立つよう精一杯頑張り、側面的貢献を続けたいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 最後となりますが、私共は今年の4月から新体制を取っております。
 取締役が1名、段谷・取締役副社長は、水井取締役副社長に交替致しました。
 新任の執行役員は3名おりますが、2名は海外、米国と欧州に赴任しており、いま東京に居る新執行役員は一人ですが、双日ロジスティックス社長に就任してもらいました。
 平川君をご紹介させて頂きます。

長くなりましたが、私からのご挨拶は、これで終了とさせて頂きます。
ご静聴、有難うございました。

(了)