佐藤洋二様

皆さま、新年明けましておめでとうございます。

私は、昨年石原会長が就任された七月の総会への出席が叶わず、新会長門出のお席に参加できなかったことを非常に残念に思っておりました。こういったこともあり、本日は是非とも出席し、皆さんに一年ぶりのご挨拶を差し上げたいと思い参りました。

例年、私共の近況を申し上げておりますが、昨年はそれなりに安定した経営が出来ていたと思っております。昨年、3か年の中期経営計画を発表し、最終年度には純利益600億円を目指そうと皆頑張って来ておりますが、その中間期の3rd quarter位までは、今のところ我々が大体想定していた範囲で来ているのではないかと見ております。私共が現在取り組んでいるのは、新たな収益力をつけるということであり、それが我々に残された最後の課題として、この中期経営計画を始めております。

財務体質につきましては、既に何度もご説明致しましたように、非常に強固なものになって来ております。これは私共のみならず関係先からも、そのような評価を充分受けているところでございます。先程の石原会長のお話しの中で、若干おかしいぞと景況感についてのご懸念がありましたが、確かにそういった状況には来ていると思います。ただ、今申し上げたように、経営基盤そのものは極めて強固になっておりますので、このような時期であっても、私共は安定し落ち着いた経営をすることは可能である、という状況に変わりはありません。

収益力につきましても、2015年4月より、それ以前の四部門の部門制を廃止し、九つの本部に分けまして、中身の「見える化」と経営のスピードをつけることを二つの目的とし、収益力の向上を図るということで、敢えて四つの部門を九つに分けた本部制を取りました。四つの部門で部門長をしていただいた方々には「管掌」という形で各本部への助言を頂く。本部長については、部門長が持っていた全ての権限を引き継ぐこととし、若い世代が一気に権限を掌握し、彼らのもとで新しい収益構造に臨んでおります。社内的には九つの本部に分けましたが、透明性がある分かり易い組織となりました。分かり易いというのは、会社にとりまして色々な面がありますが、その良い面として、各本部が内外への説明責任を負うという覚悟を決めて、この九本部制を導入しました。後戻りはできません。我々は必死の思いで、この本部を、この幹を大きくすることで収益力をつけ、それに双日らしい大きなアセットを新たに付け加え、マーケットに打って出たいという考えで、今回の中期経営計画を立てたわけでございます

残念ながら今の環境は商社にとってあまり宜しからず、以前稼いでくれたエネルギー・金属資源関係は、軒並み私共にとってbehindであり、強烈なagainstの風が吹いています。ただ、そのような問題は黙々と整理し、その上で、中期経営計画をやり切ると云うのが我々の覚悟であり、過去3年間に落とせるものは落として来ております。このような中で、我々は中期経営計画の初年度に純利益400億円を実現し、次のステップへ昇るということで、この1年間の結果を出して行きたいと思っております。

こういった状況の中で、会社を支えてくれるのは人財であります。人財の確保という点では、昨年から極めて多数の若者が弊社にコンタクトし、採用の試験・面接を受けて頂いており、今までにない数の新入社員を確保致しました。トータルすると100名程度となり、従来は65名とか、70名という人数でしたが、一気に100名に届くという新しい社員が来てくれるようになりました。

さらに昨今の「あさが来た」という朝ドラの効果が随分出てきております。この朝ドラは、私共よりも皆さま方がよくご存知の、廣岡信五郎さん、浅子さん、こういったニチメンの創始者になられた方々の歴史を充分に反映したドラマであり、配役も良く、ドラマに出て来る歌も音楽も非常に良く、人気も高いものであります。何を申し上げたいかと言いますと、昨年末に私共が立ち上げているホームページに、「あさが来た」関連の特設サイトを設け、私共の一つの宣伝をしました。2週間でどれ位の人がアクセスしたかというと、65万人の方がそこにクリックし、アクセスして頂きました。この65万人という数字ですが、実は昨年1年間で何人の方が弊社双日に対してクリックされたかというと、1年間で、68万人でございます。従いまして、この2週間で65万人というのが如何に凄い数字か、ということがお解りになるかと思います。

我々の歴史の中では、双日という会社は何だろうか、という所からスタートしています。我々としても世間に対するアピールをして行かなければなりません。中々認知度が上がらない、という所からスタートを切った訳ですが、それが今や2週間で65万人とういう方がアクセスをして頂けるようになりました。我々の歴史を繙いた時、夫々の会社の歴史はある訳ですが、この両社の歴史の重みというものを我々は忘れてはならない、ということをあらためて認識させて頂きました。それと同時に、あらためて先輩諸氏のご努力に感謝を申し上げたい、という気持であります。本日は現役役員が16名出席しておりますが、そういった現役と皆さんの間では、この様なこともお話し頂きながら、親交を深めて頂きたいと思います。

私共は、これからも一生懸命ニチメン東京社友会のご発展をサポートして参ります。従いまして、皆様にあっては、一にも二にも健康であられ、そして楽しい時を過ごして頂きたいと思っております。

我々も少しずつ会員数が少なくなるということが何を意味しているか、社友会の運営の難しさは多少なりとも解っております。微力ではありますが、我々の業績を上げて、社友会へのサポート、ご支援の中身を物心共に少しでもアップして参りたいと考えておりますので、これからも現役への御支援を続けて頂きたいと思います。

それでは、今後の皆様のご健勝と、これからの人生をエンジョイして頂くことを祈念致しまして、私のご挨拶と致します。どうも有難うございました。

(了)

2016年1月20日(水) 於 双日大会議室